大阪府皇典講究分所録事   
   

大阪府皇典講究分所録事第1号

『大阪府皇典講究分所録事第1号』(左写真)

『大阪府皇典講究分所録事』は、平成8年に富田林市鎮座の佐備神社宮司(故太平アキラ(火偏に召)氏)から大阪国学院に寄贈されたものであり、下記の号を所蔵しています。
 第1号(明治38年8月16日発行)〜第14号、第19号、第20号
 大阪府皇典講究分所に大阪府神職集議所が統合されたことを契機に創刊されたものとみられます。
 編輯兼発行所は大阪府皇典講究分所となっていますが、その住所が第1号〜第12号は「大阪市東区南渡邉町坐摩神社内」、第13号以降は「大阪市南区天王寺夕陽丘町大江神社境内」となっています。分所の所在地の変遷が伺えます。
 「録事」というのは、分所における事務処理の概況、神職の動静、通達等を採録編集した報告書を意味するようです。
 
『大阪府皇典講究分所録事』第1号(抜粋)
    明治38年8月16日発行
発行兼編集者 大阪府皇典講究分所
      データ化文責 一般財団法人大阪国学院事務局
 
 

大阪府皇典講究分所録事 第一号 

分 所 長 訓 示

 

○分所録事発行に就きて     森 本 清 蔵

余は、先般石川前所長の後を受けて、当分所長たるの、依嘱を受けたり。余は、斯道に就きては、全く、門外漢にして、何等の意見も、何等の主張も、これあることなし。故に、只従来の規程と、実例とに準拠して、設立の目的主旨を、過らざらんことを、務むると云ふの外なきなり。今般分所録事発行に当りても、専ら、理事其他役員諸氏の、協力励精によりたることにして、要は、当分所所属の神職各位が、斯道に関する、研究の結果を、発表するの機関となし、以て、講究所たるの名を、虚からしめさると、共に、一方には、分所に於ける、事務処弁の概況と、同職間の動静とを、採録して、以て、相互の気脈連絡を、通せんとするにあり。故に、形式上にありては、当分所の、一新事業たるが如しと雖、其実質につきて、考察するに、如上の事は、従来にありては、或は各種集会の席上に於てし、或は臨時の印刷物等によりてし着々進行しつゝありしものゝ如し、されは、今回の挙は只其時期と、形式とを、一定したる迄にして、敢て、新事業を号する程の事にあらさるを信す、庶幾くは、神職各位、本所設立の趣旨に鑑み、高尚純潔なる職分に対して、恥つる所なきの態度と、強固なる決心とを把持して、以て、益本分に対する熱誠を奮ひ、研鑽琢磨の工夫を凝し、金玉の稿を寄せて、本誌の光彩を、発揚せんことを。彼の徒に神秘奇蹟を説きて、愚者の迷信を助長せしめ、或は活動と称し、気焔と号して、妄りに、不平の言辞を、羅列し、名を共同の利害に藉り、窃に、自ら利せんとするが如き、偏見陋態は、其痕を、斯界に根絶せしめんこと、亦、本誌の期待する所なり。発刊に当り聊か一言を述ぶ。